HACCPの記録と逸脱・改善措置|何を書く? 基準を外れたらどうする?(特定技能 飲食料品製造業)
更新: · 公式情報の確認日:
食品衛生法施行規則(別表第十八)では、モニタリングで管理基準からの逸脱がわかったときの改善措置を前もって決め、その実施の記録を作ることになっています。厚生労働省の手引書では、改善措置は「だれが・何を・どう処理し・何に記録するか」まで決めておき、記録は確認したその場で書くことが大切だとしています(2026年10月23日確認)。
HACCPの記録には何を書く?
HACCPの原則7は「記録と保存方法の設定」です。営業の規模や業態に合わせて、原則1〜6の内容を書いた書面と、その実施の記録を作ります(食品衛生法施行規則 別表第十八)。7原則の全体はHACCPの7原則12手順で説明しています。
厚生労働省の手引書にあるモニタリング記録の例では、次の項目を書きます。
CCPのモニタリング記録の項目の例(厚生労働省 HACCP入門の手引書[乳・乳製品編])| 項目 | 書くこと |
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| いつ | 日時・開始時間・終了時間 |
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| 何を | 製品名・工程 |
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| 結果 | 測った値(温度・時間など) |
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| だれが | 記録担当者・確認者 |
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ほかにどんな記録がある?
現場でつける記録の例(公的資料)| 記録 | 内容 | 出典 |
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| 原材料の受入れ | 品名・仕入元と生産者・ロット・仕入れ年月日(1年間保管) | 大量調理施設衛生管理マニュアル |
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| 冷蔵庫の温度 | 毎日、始業時と終業時に確認 | 菓子製造業の手引書 |
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| 冷却 | 冷却を始めた時刻と終わった時刻 | 大量調理施設衛生管理マニュアル |
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| 金属探知機 | テストピースで正しく動くかの確認 | 菓子製造業の手引書 |
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| 計器 | 温度計・圧力計などを定期的に点検した結果 | 食品衛生法施行規則 |
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| ねずみ・昆虫 | 駆除の記録(1年間保存) | 食品衛生法施行規則 |
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| 日本語 | よみ |
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| 記録 | きろく |
| モニタリング | もにたりんぐ |
| ロット | ろっと |
| 温度計 | おんどけい |
記録はいつ書く? 後でまとめて書いてもいい?
確認したら、その場で書きます。 厚生労働省の手引書では、モニタリングは不具合を見つけやすい方法で行い、確認したことはその場で記録して残すことが大切だとしています。
記録は、計画どおりに実施したことの証拠になります。食品の安全に問題が起きたときも、記録をさかのぼって原因を調べ、問題のロットを見つけることができます。同僚が「夕方にまとめて書く」と言ったときの行動は、判断の問題で確かめましょう。
測っていない値を書く、後から書き直す、などはしてはいけません。記録は「本当にしたこと」の証拠です。
モニタリングとは? 逸脱とは?
モニタリングは、重要管理点(CCP)がきちんと管理できているかを、連続して、または十分な回数で確認することです(食品衛生法施行規則)。温度計や時計を使い、その場で結果がわかる方法がよいとされます。
逸脱は、モニタリングの結果が管理基準(CL)から外れることです。たとえば管理基準が「中心温度75℃で1分間以上」なら、78℃でも50秒しか加熱していなければ逸脱です(計算の問題)。
| 日本語 | よみ |
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| 重要管理点(CCP) | じゅうようかんりてん |
| 管理基準(CL) | かんりきじゅん |
| 逸脱 | いつだつ |
| 中心温度 | ちゅうしんおんど |
逸脱したらどうする? 改善措置の流れ
改善措置は、逸脱がわかったときにすることで、前もって決めておきます(食品衛生法施行規則 別表第十八)。現場で働く人は、まず自分で判断せず報告します。
- 止めて報告する:作業をやめて、上司か責任者に報告し、判断を聞く(菓子製造業の手引書)
- 製品を分ける:基準を満たさなかった製品を、ほかの製品と区分けする
- 原因を直す:機械の故障の原因を見つけて直す。温度計などを校正する
- 製品を処理する:基準を満たせなかった製品は、決めた方法で処理する(廃棄など)
- 記録する:何が起きて、だれが何をしたかを改善措置の記録に残す
2〜4の例は、厚生労働省のリーフレット「ご存知ですか?HACCP」と HACCP入門の手引書にあります。手引書の例では、加熱殺菌がすぐ基準に戻ったら工程を続け、戻らなければ工程を止めて原因を特定して修理し、基準を外れた製品は廃棄します。
冷蔵庫が10℃以上になっていたら?
菓子製造業の手引書では、冷蔵庫の温度を毎日始業時と終業時に確認し、10℃以上だったら原因を調べて改善し、庫内温度と時間を考えて、責任者に報告して中の食品を捨てるかどうか判断する、としています(温度記録の問題)。
| 日本語 | よみ |
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| 改善措置 | かいぜんそち |
| 校正 | こうせい |
| 上司に報告 | じょうしにほうこく |
| 責任者 | せきにんしゃ |
検証とは? モニタリングとのちがいは?
| モニタリング(原則4) | 検証(原則6) |
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| 目的 | CCPが今、管理できているかを見る | プランどおりにできているか、プランを直す必要があるかを確かめる |
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| いつ | 作業中にその場で | 毎日・週ごと(日々の見直し)と、月間・年間(定期的な見直し) |
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| 例 | 加熱温度と時間を測って記録する | 記録の確認、温度計の年1回の校正、改善措置が正しかったかの確認、製品の細菌検査、プランの年1回の見直し |
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手引書では、日々の見直しで、記録に書きもれがないか、基準から外れていないか、外れていれば改善した記録があるかを確認します。
| 日本語 | よみ |
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| 検証 | けんしょう |
| HACCPプラン | はさっぷぷらん |
記録はどのくらい保存する?
- 小規模な一般飲食店向けの手引書:衛生管理の記録を1年間程度保管し、保健所の食品衛生監視員に求められたらすぐ見せる
- 小規模な営業者など:業界団体の手引書で推奨された期間保存する(厚生労働省)
- 原材料の受入れの記録:1年間保管(大量調理施設衛生管理マニュアル)
- ねずみ・昆虫の駆除の記録:1年間保存(食品衛生法施行規則)
保存期間は、業種の手引書や製品が流通する期間によって違います。自分の工場の決まりを確認してください。
| 日本語 | よみ |
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| 記録の保存 | きろくのほぞん |
| 保健所 | ほけんじょ |
よくある間違い
| 間違い | 正しい考え方 |
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| 記録は夕方にまとめて書けばよい | 確認したら、その場で書く |
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| 温度が少し低いだけなら、そのまま次に流す | 逸脱。作業をやめて報告し、決めた改善措置をする |
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| 改善措置は問題が起きてから考える | 前もって、だれが・何を・どう処理し・何に記録するか決めておく |
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| モニタリングと検証は同じ | モニタリングは作業中の確認、検証はプランどおりかの確認 |
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| 直したら記録はいらない | 改善措置の記録も残す |
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練習問題(3問)
Tokugi Passのオリジナル問題です(本番の問題ではありません)。
本番と同じ形で解いてみよう
ルビ付きの日本語・3択です。答えを選ぶと解説が出ます。
第1問 / 3食品衛生・学科
改善措置の例として正しいものはどれですか。
第2問 / 3食品衛生・学科
検証の説明として正しいものはどれですか。
第3問 / 3食品衛生・学科
記録を残す理由として正しいものはどれですか。
HACCPの問題はHACCPの分野の練習でまとめて解けます。全体の力は無料の40問模試で確認できます。記録の数字を使う計算は計画立案の記事、判断の問題の考え方は判断試験の解き方にあります。
よくある質問
改善措置はHACCPの何番目の原則ですか?
原則5(手順10)です。モニタリングは原則4、検証は原則6、記録は原則7です。
逸脱を見つけたら、自分で直してもいいですか?
まず作業をやめて、上司か責任者に報告し、判断を聞きます。何をするかは、前もって決めた改善措置に従います。
記録は何年保存しますか?
決まった1つの年数はありません。小規模な一般飲食店向けの手引書では1年間程度です。原材料の受入れやねずみ・昆虫の駆除の記録も、公的資料では1年間です。
記録にはだれの名前を書きますか?
手引書の例では、記録担当者と確認者を書きます。だれが測って、だれが確かめたかがわかるようにします。
出典
数字と手続きは、次の公式情報で確認しました(確認日 2026-10-23)。変わることがあるので、申込み前に公式サイトで確認してください。
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