食中毒の細菌とウイルスの種類・特徴|原因菌の表と温度の目安(特定技能 飲食料品製造業)
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令和7年(2025年)の食中毒は1,172件・患者24,727人で、そのうちノロウイルスが患者数の75.1%(18,566人)をしめました(厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」2026年6月30日更新)。細菌は食品の中で増えますが、ウイルスは食品の中では増えません。この違いが、予防方法の違いになります。
細菌とウイルスはどう違う?
食中毒の原因には、細菌、ウイルス、自然毒、化学物質、寄生虫などがあります。原因によって、発症までの時間・症状・予防方法がちがいます(厚生労働省「食中毒」)。
細菌とウイルスのちがい | 細菌 | ウイルス |
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| 食品の中で | 温度や湿度がそろうと増える | 増えない |
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| どこで増える | 食品の中 | 人の腸の中 |
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| 多い季節 | 梅雨のころから増える | 冬(11月〜3月) |
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| 予防の原則 | つけない・増やさない・やっつける | 持ち込まない・ひろげない・つけない・やっつける |
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ウイルスは、低温や乾燥した場所でも長く生き残ります(政府広報オンライン)。
| 日本語 | よみ |
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| 細菌 | さいきん |
| ウイルス | ういるす |
| 自然毒 | しぜんどく |
| 寄生虫 | きせいちゅう |
主な食中毒菌の特徴は?(一覧表)
このサイトのおすすめは、「原因になりやすい食品」「発症までの時間」「熱に強いかどうか」の3つに注目して覚えることです。
主な食中毒菌(食品安全委員会ファクトシート・政府広報オンラインなど)| 菌 | 主な原因食品・いる所 | 発症まで | ポイント |
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| カンピロバクター | 生や加熱不足の鶏料理(鶏刺し・タタキ・鶏レバー) | 2〜7日 | 数百個の少ない菌でも感染 |
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| サルモネラ属菌 | 食肉・卵。ペットやネズミからも | 半日〜2日 | 激しい胃腸炎 |
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| 黄色ブドウ球菌 | 人の鼻・のど、手の化膿した傷 | 0.5〜6時間(平均3時間) | 毒素は熱に強い。吐き気・嘔吐が必ず起きる |
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| 腸管出血性大腸菌(O157など) | 家畜の腸。生や加熱不足の肉 | — | ベロ毒素。血の混じった下痢。子どもや高齢者は重症化 |
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| ウエルシュ菌 | 大量に作ったカレー・シチュー・煮物 | 6〜18時間(平均10時間) | 熱に強い芽胞を作る。酸素がない所で増える |
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| セレウス菌 | 嘔吐型:チャーハン・焼きそば/下痢型:肉・野菜 | — | 嘔吐型の毒素は126℃で90分加熱しても残る |
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| ボツリヌス菌 | びん詰・缶詰・真空包装食品 | — | 毒素は80℃20分か100℃1〜2分で無毒になる |
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| 腸炎ビブリオ | 魚介類 | — | 塩分を好み、真水に弱い。37℃前後では約10分で2倍 |
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| リステリア | ナチュラルチーズ・生ハムなど | — | 4℃以下や食塩12%でも増える |
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「熱に強い毒素」に注意
黄色ブドウ球菌の毒素(エンテロトキシン)とセレウス菌(嘔吐型)の毒素は、ふつうの加熱では無毒になりません。一度、食品の中で毒素ができると、加熱してももう遅いのです。逆にボツリヌス菌の毒素は、80℃で20分か100℃で1〜2分の加熱で無毒になります。
ウエルシュ菌は熱に強い芽胞を作ります。食中毒を起こす菌の芽胞は100℃で1〜6時間加熱しても生き残ります。大きな鍋の料理がゆっくり冷えると、約55℃から急に増えます。保存するときは小分けして、10℃以下か55℃以上にします。セレウス菌も芽胞を作る菌で、保存するなら速やかに55℃以上か8℃以下にします。
| 日本語 | よみ |
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| カンピロバクター | かんぴろばくたー |
| サルモネラ | さるもねら |
| 黄色ブドウ球菌 | おうしょくぶどうきゅうきん |
| 腸管出血性大腸菌 | ちょうかんしゅっけつせいだいちょうきん |
| ウエルシュ菌 | うえるしゅきん |
| セレウス菌 | せれうすきん |
| 芽胞 | がほう |
| 潜伏期間 | せんぷくきかん |
ノロウイルスの特徴は?
ノロウイルスは、手や食品を通して口から入り、人の腸で増えます。発症まで24〜48時間で、吐き気・嘔吐・下痢・腹痛が1〜2日続きます(厚生労働省「ノロウイルスに関するQ&A」)。
- 少ないウイルスの量でも感染する
- 症状がなくなっても、ふつう1週間くらい、長いと1か月くらい便にウイルスが出る
- 近年のノロウイルス食中毒の約8割は調理する人から。約5割は症状が出ていない人から(小規模な一般飲食店向け手引書)
- 二枚貝は海水のウイルスを体の中にためる。中心部を85〜90℃で90秒以上加熱する
- 消毒用エタノールや逆性石けんはあまり効かない。次亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸水、加熱が有効
- 吐いた物が乾くとウイルスが空気中にただよう。乾く前に処理し、十分に換気する
| 日本語 | よみ |
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| ノロウイルス | のろういるす |
| 二枚貝 | にまいがい |
| 次亜塩素酸ナトリウム | じあえんそさんなとりうむ |
覚えておく温度は?
食中毒を起こす細菌の多くは、室温(約20℃)で増え始め、人の体温くらいで一番速く増えます。たとえばO157などは7〜8℃くらいから増え、35〜40℃で最も活発になります(政府広報オンライン)。
温度の目安(厚生労働省・政府広報オンライン)| ことがら | 温度 |
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| 危険温度帯(菌が増えやすい) | 10〜60℃ |
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| 肉などの加熱 | 中心部75℃で1分間以上 |
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| ノロウイルスのおそれがある二枚貝 | 中心部85〜90℃で90秒以上 |
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| 卵を使った調理 | 70℃で1分間以上 |
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| 残った食品の温め直し | 75℃以上 |
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| 多くの細菌の増え方がゆっくりになる | 10℃以下 |
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| 多くの細菌の増殖が止まる | −15℃以下 |
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冷蔵庫の中でも、細菌はゆっくり増えます。冷蔵庫を信じすぎず、早めに使いましょう。
| 日本語 | よみ |
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| 危険温度帯 | きけんおんどたい |
| 中心温度 | ちゅうしんおんど |
| 加熱不足 | かねつぶそく |
予防の3原則と、ウイルスの4原則
細菌による食中毒は「つけない・増やさない・やっつける」が3原則です(厚生労働省「食中毒」)。ウイルスは食品の中で増えないので「増やさない」は当てはまりません。ウイルスは「持ち込まない・ひろげない・つけない・やっつける」の4原則です(政府広報オンライン)。
原則と、現場ですることの例| 原則 | 現場ですることの例 |
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| つけない | 手洗い、器具を分けて使う |
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| 増やさない(細菌) | 冷蔵10℃以下、危険温度帯に長く置かない |
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| やっつける | 中心部75℃で1分間以上の加熱 |
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| 持ち込まない(ウイルス) | 体調が悪い人は作業しない |
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| ひろげない(ウイルス) | 吐いた物を正しく処理する |
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| 日本語 | よみ |
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| 食中毒予防の3原則 | しょくちゅうどくよぼうのさんげんそく |
| つけない | つけない |
| 増やさない | ふやさない |
| やっつける | やっつける |
| 持ち込まない | もちこまない |
| ひろげない | ひろげない |
最新の食中毒の統計(令和7年=2025年)
厚生労働省によると、令和7年(2025年)の食中毒は1,172件、患者24,727人でした。そのうちノロウイルスは462件(39.4%)、患者18,566人(75.1%)でした(「ノロウイルスに関するQ&A」2026年6月30日更新)。
令和7年(2025年)の食中毒(厚生労働省) | 全体 | ノロウイルス |
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| 事件数 | 1,172件 | 462件(39.4%) |
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| 患者数 | 24,727人 | 18,566人(75.1%) |
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この数字は毎年更新されます。問題を解くときは「何年の数字か」を確認しましょう。
よくある間違い
- ✕「よく加熱すれば、どんな毒素も大丈夫」→ ○ 黄色ブドウ球菌とセレウス菌(嘔吐型)の毒素は熱に強い
- ✕「ウイルスも食品の中で増える」→ ○ ウイルスは人の腸の中で増える
- ✕「新鮮な肉なら生で食べても安全」→ ○ 新しさに関係なく、生や加熱不足は危険
- ✕「冷蔵庫に入れれば菌は増えない」→ ○ ゆっくり増える。増殖が止まるのは−15℃以下
- ✕「ノロウイルスにはアルコール消毒が効く」→ ○ あまり効かない。次亜塩素酸ナトリウムか加熱
練習問題(3問)
本番と同じ形で解いてみよう
ルビ付きの日本語・3択です。答えを選ぶと解説が出ます。
第1問 / 3食品衛生・学科
黄色ブドウ球菌が食品の中で作る毒素について、正しいものはどれですか。
第2問 / 3食品衛生・学科
ウエルシュ菌を防ぐための保存方法として、正しいものはどれですか。
第3問 / 3食品衛生・学科
細菌とウイルスのちがいとして、まちがっているものはどれですか。
もっと練習したい人は、危害要因の問題と食品衛生の基本の問題へ。全体の力は無料の40問模試で確認できます。手洗いや体調のルールは食品衛生の基本にまとめています。
よくある質問
食中毒の原因で一番多いのは何ですか?
令和7年(2025年)は、患者数ではノロウイルスが一番多く、全体の75.1%(18,566人)でした。事件数でも全体の39.4%(462件)をしめています(厚生労働省)。
加熱しても防げない食中毒はありますか?
あります。黄色ブドウ球菌とセレウス菌(嘔吐型)が作った毒素は、ふつうの加熱では無毒になりません。魚にできるヒスタミンについては食品の危害要因を見てください。
肉は何度で何分加熱すればいいですか?
目安は、食品の中心部が75℃で1分間以上です。ノロウイルスのおそれがある二枚貝は、中心部85〜90℃で90秒以上です。
カレーを次の日まで置くときの注意は?
大量に作ったカレーはウエルシュ菌が増えやすい料理です。小分けして、10℃以下か55℃以上で保存し、温め直すときは十分に加熱します。
出典
数字と手続きは、次の公式情報で確認しました(確認日 2026-10-22)。変わることがあるので、申込み前に公式サイトで確認してください。
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